Research of manpower supply business field.

他に類のない派遣業界幹部向けの会員制メールマガジンを発行し始めて4年になります。派遣業界に 関する話題を斬新独特の切り口で取り上げ、多くの派遣会社管理職の皆様に愛読いただいております。そのバックナンバーの一部を御覧下さい。

東田康之

マンパワージャパンが大量出店
9月26日の日経産業新聞によればマンパワージャパンが大量出店するとのこと。以下記事全文です。

マンパワー
3年で78拠点新設
    売上高300億円見込む

  人材派遣大手のマンパワー・ジャパン(横浜市、淵木幹夫社長)は25日、
  今後3年間で新たに78の派遣拠点を開設すると発表した。まずは長野市
  や三重県四日市市などに進出し、2008年以降は東北地方や九州地方で
  も拠点網を拡充する。新拠点だけで年間1万人の稼動派遣スタッフと
  300億円の売上高を見込む。
  同社は現在114の派遣拠点を持つが、首都圏や大阪周辺など都市部が
  中心。新たに設置するのは1拠点あたりの従業員が4-5人の小規模店舗。
  北陸や中部、近畿、九州などで人口20万人以上の年を網羅する、全国的
  なネットワーク構築を進める。
  新拠点は派遣事業だけでなく、転職希望者を求人企業に橋渡しする人材
  紹介事業も手掛ける。78店舗新設に対する投資額は約5億円。各店舗と
  も派遣社員を年間100人稼動できる体制となった後は、さらに細かな
  地域ごとに拠点を分ける方針。5年後に拠点数を300以上に増やしたい
  考えだ。
  マンパワーの06年12月期の売上高は980億円で派遣業6位で、市
  場拡大に伴い、売上高を伸ばしている。ただ売上高二千億超のアデコ(東
  京・港)など二番手グループからは離されており、「現状から抜け出すた
  めの打開策」(立田信弘・新規事業推進室長)として、拠点の大幅増設を
  決めた。
                            以上

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【東田独白】
ところで上の記事はスペースの関係か興味深い内容を省いております。マンパワージャパンのプレス発表内容はこれ以外に拠点人員の運用方法にも言及しております。以下プレスリリース全文です(一人称記述)。特に第3段落にご注目ください。

〔プレスリリース〕

2007年09月25日
マンパワー・ジャパン、独自の戦略に基づく新規事業を開始
~新規事業に伴い地域に密着した営業および顧客サポート体制を強化~

  総合人材サービスのマンパワー・ジャパン株式会社 (本社・神奈川県横浜市、代表取締役社長
:渕木幹雄、資本金:40億円)は、よりいっそうの営業強化を推進するため、全く新しい発想による新規事業を全国規模で開始します。現在マンパワーの支店はないが、今後急速な人材の需要が見込まれる地域を対象に、独自の市場調査に基づき78の市を選出し、3年間で集中的に78支店の新設を目指し、積極的に営業網を拡大します。

今回の新規事業は、マンパワーが従来から推進している営業強化の一貫として、世界73カ国・地域で展開するビジネスの成功事例に基づいて事業化を決定したもので、グローバルネットワークの強みを生かし、「Dandelion(ダンデライオン)」という名称のもと、顧客満足を追求したサービスはそのままに、従来とは異なる革新的な営業戦略を推進します。また、現在展開している114拠点に新支店を加えることで、営業拠点の拡充を図り、地域で働く人々や企業のニーズをより的確に把握し、迅速かつ効果的
な顧客サポート体制を確立していきます。

新設支店には具体的に、3つの特長が挙げられます。まず、第一に、新設する支店の要員には、人材サービス企業での経験の有無にかかわらず、起業家精神が旺盛な幅広い年齢層を登用し、全く新しい発想に基づく営業活動を展開します。第二に、新しい型の給与システムを導入し、売上に直結した業績
連動型とします。第三に、新支店に特化したトレーニングやフォロー体制を整え、より地域に密着したきめ細かいサービスの提供を実現していきます。 さらに、新設する支店は地域戦略拠点として、派遣に加え、人材紹介サービスも含め、新たな顧客獲得に向けた徹底したサービスの充実を図り、積極的な営業と収益の増大に向けた施策を推進していきます。

マンパワー・ジャパンは、今後も、地域において人材を必要としている企業のみならず、働く人々のさらなる利便性の向上を目指し、さまざまな相談やニーズに対応できるサービスの充実にも配慮していきます。また、従来にも増してサービスネットワークや営業活動を強化することで、地域経済の活性化と雇用水準の向上に貢献していきます。

                          以上

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【東田独白】
いかがでしょう。すごいですね。
曰く
『人材サービス企業での経験の有無にかかわらず、起業家精神が旺盛な幅広い年齢層を登用し』『新しい型の給与システムを導入し、売上に直結した業績連動型とします』

つまり業界未経験の中年層(幅広い年齢層)を集めて成果給で働いてもらい、かつ派遣に加えて人材紹介も扱うというのです。しかも4-5人という小所帯で、かつ『顧客満足を追求したサービスはそのままに、従来とは異なる革新的な営業戦略を推進』しようというものです。

ポイントは
1.業界未経験者大多数で運営できるか
2.人材派遣に業績連動給与がなじむか
3.ビジネスモデルの異なる派遣と紹介の両方を同時にこなせるか
4.4-5人の小規模店員のモラール管理がうまくいくか

それぞれの項目一つ一つが大きな課題です。これをマンパワーさんはやろうというのです。

この戦略は私の独断で言うと、日本のマンパワー独自の企画発案ではなく、ミルウオーキーのマンパワー本部からの「欧米で成功しているから日本でもやれ」との指示に基づくものではないでしょうか。
といいますのも欧米の派遣大手(アデコ等)は従業員4-5人のサテライト店舗を大量に展開して伸びてきた経緯があり、その成功体験を日本でも導入したらいいではないかという世界本部CEOの指示ではないかと思うのです。実はこれには前例があり、日本のアデコが4-5年前にこの小規模大量出店を実施しました。この時もスイス本社からの指示であったと聞きます。そういえば2年前にフランス旅行した時、パリ郊外ベルサイユ宮殿の近くとか、南仏アルルの街角に小ぶりの派遣店舗があったのを思い出します。仕事熱心で写真撮りましたのでご覧ください(小さい店でしょ)。

欧米での成功パターンを日本に持ち込んでうまくいくか、、、。

ともあれ発案源が日本にしろアメリカ本部にしろ、マンパワーがここまでの手を打つにいたる背景には、日本に派遣を伝道した最古の派遣会社であるにもかかわらず、6位に甘んじてしまっている劣勢を何とか挽回しようというあせりが見えます。注目したいと思います。


最後にご参考までに1000億超の大手派遣会社の売上高と拠点数を表にしました。面白い傾向が見えます。売り上げを拠点数で割った1店舗あたりの売り上げが一番小さな会社はどこでしょう?