他に類のない派遣業界幹部向けの会員制メールマガジンを発行し始めて4年になります。派遣業界に
関する話題を斬新独特の切り口で取り上げ、多くの派遣会社管理職の皆様に愛読いただいております。そのバックナンバーの一部を御覧下さい。
東田康之
11月14日発行の市況通信241号にて2006年派遣会社総売上高ランキングをお届けしましたが、このメルマガ購読会社様には資本系派遣会社が多いので今回はそのランキングから独立系を省き、資本系派遣会社のみを抜き出してランキング表を作りました。ただしこのランキングには載っていない資本系会社はたくさんあることをお断りしておきます。
さて資本系派遣会社を「発展段階説」で区切りますと、以下のタイプに分類できます。
①設立して間もない、幹部からメンバーまで試行錯誤のヨチヨチ会社。
②親会社の派遣キャパシティにまだ余裕があり、親会社グループへのシェアアップに邁進
するだけでいい会社。
③親会社グループの派遣シェアが限界に近づき、成長のためには外に活路を求めざるをえない会社。
④親会社の業務のアウトソーシング的役割で設立され、外販の必要は無い会社(金融・保険系に多い)。
川に例えますと、①は源泉、②は上流から中流、③は下流から海に注ぎ込むあたり、④は流れの無い湖といえましょう。このランキング表では①を除く②~④が並びます。
これを売上げ規模で分類すると、100億超の大手資本系12社中金融・保険系2社を除く10社は③の段階に至っていますが、50億~100億帯の14社は親会社の派遣許容力の大小もあって②と③が混在、50億未満は③よりも②の会社が方が多いという印象です。(添付表で確認ください)
次に全く視点を変えて社内諸制度(人事・給与・評価etc)の整備具合を私の独断で売上帯別に見ますと、100億超はしっかり整っており(例外はありますが)、50億~100億は、それなりに形を付けつつあり、50億以下はその途上で苦労中といえましょう。これは従業員数に相関関係がありまして、一般に社員が増えれば増えるほど社内制度の整備の必要性が増します。私見では派遣専業会社の場合、売上高を社員数で除した数値は7000万円~8000万円に収まりますので、派遣会社の従業員数は@7500万円で試算すると、
300億円→400人
100億円→133人
50億円→ 67人
30億円→ 40人 となります。
40人くらいまでなら社内制度も創業以来の「だましだまし」(失礼)でやれましょうが、50人を超えますと、創業時のやり方(その多くが親会社制度の流用・焼き直し)を引きずるにはもう限界になります。親会社の業態にあわせて培われた諸制度が派遣業という業態に年々そぐわなくなるわけです。私見では売上げ40~50億で第一の変革段階に至り、100億前後で第2の壁に突き当たる頃、というのが社長さんと接していて感じる印象です。先代・先々代の社長なら経験することのなかった、もしくは先送りされた課題に取り組まねばならない規模に現社長の代で達したというわけです。ご苦労様です。
さてもう一つありそうでなかったデータをお目にかけます。親会社の業種別派遣会社売上げランキング。何のことは無い、上のランキング表を親会社の業種別に分類してランキングしただけの資料です。でも今まで見たことなかったでしょう。私も見たこと無いので作ってみました。メーカー系が多いですね。
(話題)
このテーマを執筆中の昨日、キャプラン(伊藤忠商事系)様からご挨拶状をいただきました。グループ派遣会社のリッチフィールド(貿易に強い・売上41億円)及びキャプランテクノス(ITに強い・売上12億円)を来年1月31日付でキャプランに合併させるとの事。キャプラン07年3月期の売上げは153億円ですので3社合併で206億円となります。専門部門を得て総合派遣会社になるわけです。従来大手独立系派遣会社の話題に隠れ地味な存在であった資本系派遣会社も大きな変革期に直面しております。コンプライアンス面を含め派遣業界の品格を高めるに貢献のあった資本系派遣会社ですが、成長面でも頑張って欲しいものです。