Research of manpower supply business field.

他に類のない派遣業界幹部向けの会員制メールマガジンを発行し始めて4年になります。派遣業界に 関する話題を斬新独特の切り口で取り上げ、多くの派遣会社管理職の皆様に愛読いただいております。そのバックナンバーの一部を御覧下さい。

東田康之

上場派遣会社に見る事業リスク

派遣事業を運営する上で各種の事業リスクがありますが、超大手派遣会社はそれをどう認識しているかを知る格好の資料があります。それは上場派遣会社の決算報告書(決算短信)の中の項目にあります。

それは「事業等のリスク」という項目です。
この項目が上場企業の決算項目に新設された事情は以下の通りです。

『証券市場の構造改革の議論が活発化した平成14年には、12月16日に金融審議会第一部会から「証券市場の改革促進」が公表された。この中で、投資家保護と市場への信頼性の向上を図る観点から、ディスクロージャーの充実・強化を図る必要があるとされ、具体的には、企業統治(コーポレート・ガバナンス)の実態を積極的にディスクローズすることにより企業統治への取り組みを市場に明らかにすべきとの提言が盛り込まれた。これを踏まえ、平成15年3月31日付で企業内容等の開示に関する内閣府令が改正され、有価証券報告書での新規開示項目が追加された。』

(大和総研)

この新設項目の一つが「事業等のリスク」なのです。「うちの会社はこんなリスクを抱えています」と弱みを公開しているわけですからまことに興味深いものがあります。普通は隠したいものですが(そんな会社は多いですが)、さすが上場企業ともなると、株主、株主になる可能性のある方々に情報公開する必要ありというわけです。

この通信の読者の方々は派遣会社幹部の皆様ですので、同業に携わるものとしてリスク内容は同感される点、身につまされる点も多々あろうかと思います。取り上げる会社は東証1部上場のテンプスタッフとパソナの2社。テンプスタッフは先週号で取り上げました最新決算報告の決算短信、パソナは今年1月に発表された06年5月期中間決算短信(05年6月~11月)に掲載されています。原文は下記御覧いただくとして、添付資料には2社のリスク項目を共通項目と単独項目に分けて並列表示してみました。

またテンプのみ各リスク項目のポイントを引用しました。私の感想としては「そんなことまでリスクにいれますか?」という項目が一部目に付きますが、会社側としては大真面目なのでしょう。

これらのリスク項目は上場会社にだけあるものではなく、一部を除き人材派遣業に携わる会社が等しく遭遇する事項です。しかし東証1部上場ともなると中小会社が起こしても話題にならないことが大注目で取り上げられますので大変です。しかしその緊張感とリスク防止の対策の徹底が「会社の品格」に昇華しますのでこの道は通らなければならないのです。

しかし上場派遣会社の社長とは心の休まらないポストだと同情します。なるものではありません。(なれませんが、、)

以下2社の決算短信「事業等のリスク」原文御覧下さい。