他に類のない派遣業界幹部向けの会員制メールマガジンを発行し始めて4年になります。派遣業界に
関する話題を斬新独特の切り口で取り上げ、多くの派遣会社管理職の皆様に愛読いただいております。そのバックナンバーの一部を御覧下さい。
東田康之
いくつかの派遣会社の社長さんから、「うちの原価率は○%なのだが、これって一般水準から見てどう?」「売上に占める募集費比率は何パーセントぐらいが妥当です?」「他社の営業利益率はどれぐらいかな?」と言うような素朴な(?)質問をよく聞きます。
このようなよその派遣会社の経営指標は昔はなかなかうかがい知れず、自社の水準が同業他社と比べていいのか悪いのか調べるすべが無かったものですが、最近は派遣会社で上場するところが増えて、これらの会社は「IR情報」と銘打って自社ホームページ上に経営数字を詳しく公開す
るようになりました。しかし公開はされていても、わざわざ調べる方は少ないと思いますので今号ではこれらの会社の損益計算書の主要経営指標を取り出して幹部の皆様のご参考に供します。
対象は東証1部上場のパソナ、テンプスタッフとJASDAQ上場のフジスタッフ、ピープルスタッフ、クリエアナブキで、それも連結ではなく単体決算を取り上げます。連結ですと紹介事業(パソナ・テンプ)等の派遣事業以外の分野が多く含まれてしまい、派遣事業そのものの経営指標がわかりにくくなるため、派遣事業の比率がほとんどである単体(本体)に注目するわけです。そのため本体決算に主力の紹介事業がデンと含まれるインテリジェンス社は取り上げません。またパソナ・テンプ以外の3社は紹介事業が単体内にありますが、無視していい規模です。
また今回の趣旨から見て金額水準は比較する意味がありませんので、金額表示は売上高のみに留め、各指標は売上に占める構成比率(%)を比較することにします。
比較対照指標としては売上原価率(売上総利益率)、一般管理費販売比率、人件費率、募集比率、賃借料比率、営業利益率を取り上げました。人件費・募集費・賃借料は派遣事業の3大経費でありますし、営業活動そのものの成果は経常利益ではなく営業利益に表されるという判断からです。
添付資料をご覧下さい。私の感想は資料の下にしたためましたので詳細そちらをお読みいただくとして、結論だけ申し上げると、営業利益率さえ目標水準を確保できるのであれば、そこにいたる各指標の水準はどうぞご随意に、という事です。プロセス指標の他社比較は意味がない、これが私の結論。
もうひとつ。各社の各指標構成率は一朝一夕にして出来たのではなく、創業以来の長い経営の歴史の中から形成されてきた水準ですので、今さら高いから低いからといってどう急激に変化させられるものではないという事実です。しかしどの時代にしても、各指標は上下しても、最終の
営業利益率水準だけは「死守する」覚悟で経営されてきたと言うのが正確な表現でしょう。したがって利益率さえ確保できればそれにいたる指標の水準はそのための手段に過ぎないとさえ言えましょう。
そのことは添付の5社の指標に如実に現われております。まさにその指標水準そのものに経営戦略が伺えるという事です。それでは別表をご覧あれ。
最下段に貴社用の1行を設けましたので貴社実績を記入してみてください。