Research of manpower supply business field.

他に類のない派遣業界幹部向けの会員制メールマガジンを発行し始めて4年になります。派遣業界に 関する話題を斬新独特の切り口で取り上げ、多くの派遣会社管理職の皆様に愛読いただいております。そのバックナンバーの一部を御覧下さい。

東田康之

派遣会社における企画提案・課題解決営業

今回のテーマは人材派遣会社営業マン(ウーマン)の「企画提案」・「課題解決」型営業についてです。いつもの資料付きではなく、私の発信テーマでは珍しい「問題提起型」です。

昨今、営業職の募集広告に職種名として単に「営業」と記述せずに、「企画営業」と書く会社が多い事に皆さんお気づきでしょうか? 派遣会社の募集広告でもその傾向にあり、私が控えている募集広告切り抜きから抜き出しますと、企画提案営業スタッフ(アスコム、ザ・アール)、企画営業スタッフ(アデコ)、企画営業(キャリアリンク、三洋ヒューマンネットワーク、テンプスタッフテクノロジー、フジスタッフ、富士ゼロックスキャリアネット、プロキャリア、メイツ大阪)等々、、、。シンプルに「営業」と表記の会社と割合は半々と言ったところです。

そこで皆さんにお聞きしますが、派遣営業の仕事に「企画提案」的な要素があるでしょうか? 派遣会社の営業マンに期待するのはオーダー獲得とスタッフフォローの二つであって、顧客に企画を提案することを想定している会社はまずないのが現実ではないでしょうか?

にも関わらず何故募集で「企画」の一語を付けたがるのか、、、。一種のコンプレックスと照れでしょう。この発想、よくありますよね。株屋が証券会社、金貸しが金融業、女中がお手伝いさん、売り子が販売員、役者が俳優等々、、、(例えが古くて失礼)。前者の表現の方がズバリ仕事内容の本質を言い表しているが、それでは直截過ぎて実も蓋もないのでちょっと上品に言い換えてみると言う心情です。そうしたい気持ちもわかりますが、マイナス面もありまして、ものの本質が伝わらずに、飾ったイメージを抱いてその業界に入って来る人が多くなり、入ってからイメージと実態のギャップに思い悩む人が多く発生することです。

もともと派遣会社の営業を希望する人は御用聞きになることなどハナから希望していません。それよりも人のためになりたい、人に喜んでもらいたい、相談に乗ってあげたい、、、甘いと言えば甘いですがこんなうぶな動機(それはそれで立派なことですが)で業界の門をたたく人が多いのが最近の傾向です。それだけに「営業職」では少しナマ過ぎる 、ちょっと品良く「企画営業」、とまあこんなところでしょう。この延長で「課題解決営業」「提案営業」というのもあります。

しかしこんな巻頭修飾語を付けたくなる背景もありまして、いわゆるベテラン営業マンの「煮詰まり」問題です。長く派遣営業を経験するほどに単なる御用聞き営業を脱したい気持ちがふつふつと沸いてくるのは事実です。営業を始めたばかりの頃は新規開拓もオーダー獲得もスタッフフォローも日々新鮮で、しんどい中にも喜びをということで生き生き走り回っていた営業マンも、これを3年4年と繰り返していると段々飽きが生じ、いつまでこんな同じ事ばかり繰り返すのかと、優秀で頭の切れるメンバーほど思い悩むようになってきます。もっと「高度な」内容の仕事をしてみたい、企画提案をしてみたいと思いだすのです。これが「煮詰まり」現象で、これはこれで自然な思いでなんら異常なことではありません。出来うるならば会社はこの健全な性向をすくい上げてあげる必要があります。社員の成長です。

しかし残念なるかな、派遣のビジネスモデルの中にはこの解を見出しにくいのも事実です。派遣業界創成期はともかく、現在の派遣営業はニーズ創出型ではなく顕在ニーズ「奪い合い」型に変貌しており、この状況下で「企画提案」「課題解決」型営業をせよと命じても容易なことではありません。また指示する側の管理職にしてからが自らそんな営業を実践した体験がないわけで、何をかいわんやです。

しかしこの「煮詰まり」対策はマネジメント上放置できない重要課題であるのです。貴社営業の主力層の士気にかかわる問題であるからです。しかしこれにお気づきの管理職は以外に少ないと言うのが私の実感です。これに気付くにはメンバーとの腹を打ち割ったコミュニケーションと自己の体験が必要ですが、特に親会社から管理職で出向転籍された資本系派遣会社幹部にとってはこの認識は薄いでしょう。

従来、この解決策としては部門異動や昇進といった「立場換え」が特効薬でありました。前者においては新規部門立ち上げに我先に手を上げるのは決まってベテラン営業マンである事実が証明します。しかし二つともポストにかかわることですのでそうそう誰にでも適用できる方法ではありません。では日常の従来どおりの営業現場の中で「企画提案」「課題解決」型営業に取り組んで日々気持ち新たな営業活動をするにはどうしたらいいか、、、。

以下に私なりの提案をさせていただきたいと思います。しかし私は前職派遣会社で管理職として13年間を過ごしましたが、この提案を部下に薦めたことはありません。考え付きませんでした。それがなぜ提案するかと言うと、派遣会社を辞めてこの紹介業を始めて多数の退職した派遣会社営業マンと面談する中で見えてきた考えなのです。なにぶん未検証ですのでそれが実行可能かどうかはわかりません。この点、現場の皆様のご批判を仰ぎたいと思います。

当社ホームページ「社長の本音コラム」掲載の記事です。