他に類のない派遣業界幹部向けの会員制メールマガジンを発行し始めて4年になります。派遣業界に 関する話題を斬新独特の切り口で取り上げ、多くの派遣会社管理職の皆様に愛読いただいております。そのバックナンバーの一部を御覧下さい。
東田康之
先週、当社に独立系から資本系派遣会社に転職経験をお持ちのコーディネーターが登録にお見えになり、なんと独立系を紹介して欲しいと希望されました。「なんと」という驚き言葉をつけたのは、私の経験では、独立系から資本系への転職を希望される方がほとんどで、その逆はほとんど見受けないからです。
その理由が意外なものでした。「雑務」(本人曰く)が多すぎて本来のコーディネーター業務ができないから、これに専念できる独立系に戻りたいというのです。その「雑務」の内容を列挙すると、
私はこれぐらいコーディネーターの仕事としては普通じゃないかと思うのですが、この登録者の方によると、この資本系会社に入る前の独立系(100億ではこれらの仕事はコーディネーターの仕事ではなく、専門部署の仕事だったと言うのです。だから自分達コーディネーターは登録面接とマッチングに専念でき、それがコーディネーターの仕事だと思っていたところが、この資本系に入ってその仕事に専念できないことが不満で辞めたいというのです。そこで、これらの、前の会社ではなかった仕事の全仕事に占めるパワーの割合を聞くと約3割といいます。まあこれはどこまでの領域をコーディネーターの仕事というかの見解の差であるとは思うのですが、本人が最初に育った派遣会社はそんな環境だったわけで、これが刷り込まれているのですね。
コーディネーターがこれなら営業マンも多分似たような状況かと思い、水を向けると然りで、スタッフ問い合わせ(有給、社会保険、健康診断、雇用保険)への回答、スタッフ就業や延長時の契約書の作成、候補出し時の先方へのスタッフプロフィールの作成は営業マンの仕事であるといいます。この状況に対して営業マンから不満が出ているかというと、出ていないと、、、。
営業マンの全員が業界未経験で他業界から入社しているので、派遣営業の仕事にはこれも含まれているのかと、疑問を持たないとのことで、 多くのコーディネーターもこの会社しか知らず、純血でこんなものかと思っており、違和感を感じているのは業界経験のある自分だけであると、、、。上司に申し出ても彼らは親会社から出向転籍してきた方ばかりで、自分が来る前からこのやり方だったのでこちらも疑問意識がないといいます。結局自分だけが浮き上がってしまっているので辞めたいと、、、。
そういえば4-5年前のスタッフサービス社の日経新聞全面広告を思い出しました。それは同社営業部門の昼と夜の写真が上下に掲載されており、昼の写真には見事に人がいずガラガラなものが夜は満杯。当社の営業は日中は皆様の会社を休みなく訪問しております、という営業姿勢をアピールしたものでした。
その登録者に社内風景を聞くと、日中多くの営業マン(ウーマン)がせっせと事務仕事で社内にいるというのです。これは私の感覚では営業部門のオフィス風景ではありません。私は独立系の派遣会社の管理職をしておりましたが、その前に14年の他業種営業経験があったため、日中営業マンが社内にいることについては違和感を感じ、「早く外に出ろ」と追っ払っていたものです。自分も駆け出し以来上司からそう指導されてきました。これは業種を問わず営業経験おありの方なら同感いただけると思います。
多分この会社の上司は営業マンが日中社内に多く滞留していることに疑問をお感じになっていないか、もしくはそもそも彼彼女らが言葉本来の意味での営業マン、コーディネーターであると思わず、事務複合職であるとの認識ではないでしょうか?
営業職とコーディネーターに派遣決定に至る業務外の付随業務(上では「雑務」)をどこまでを任せるか? 私の体感を言えば、独立系派遣会社と資本系派遣会社で考えに差があり、独立系派遣会社は徹底して付随業務は外出しを計るのに対し、資本系派遣会社は抱え込ませる傾向にあります。
資本系のその原因を「独断」で慮ると、
このことの問題点は、設立時早々の社員はそれで良しとして、会社が外販を伺うような段階に立ち至り、採用する社員は今までとは違って「戦闘モード」を備えた逞しめの人材を採用したにもかかわらず、入社後任せる仕事がこれでは戦闘向き社員の意気が上がらないことです。外車に下町の路地裏を走らせるようなものです。
もし営業社員とコーディネーターに「本業」専念させるべく、付随業務を切り出して他部門に任せた場合、その人件費分が新たに付加されたとしても、営業・コーディネーター陣の戦力は現有人員のままで3割がたアップしますので、結果的に事務員パワーの増が総戦力の増と同義になるのです。そして「餅は餅屋」の充足感。外車が高速道路に出られる満足感、、、。
一度この「付随業務お任せ度」の総棚卸をされてはいかがでしょう。その際にメンバーの皆さんに意見聴取をされることをお薦めします。出てくるわ出てくるわ、かも、、、、。
最後に、独立系大手派遣会社(1000億)の知人に「おたくはどうしてる?」と聞いた内容を添付します。とてもここまで真似できないでしょうが、考え方をご参考に。
もう一つ、最近当社に登録された中堅独立系派遣会社(70億)の営業アシスタントの職務経歴書から仕事内容を転載します。営業職とコーディネーターの間に位置するアシスタントの仕事内容はこんな内容です。ご参考までに。
【配属・職務】法人サービス事業部配属(営業社員6~8名のサポート業務)
【就業形態】正社員
【業務内容】
● 新規企業の取引申請、見積書、契約書作成依頼 他、各種社内文書の代理作成
● クライアントへの候補スタッフの紹介(FAX・メール)及び面談設定・調整
● 各営業が抱える稼働スタッフのデータ管理・修正、契約書作成時のチェック・修正、契約書作成手配
● 営業不在時の派遣OD表の(代理)作成、社内連絡
● 営業不在時クライアント・スタッフからの電話応対、社内電話応対(人選状況の問い合わせ等)
● 営業パンフレット、ノベルティの在庫管理・補充、備品管理・発注、来客応対、お茶だし