他に類のない派遣業界幹部向けの会員制メールマガジンを発行し始めて4年になります。派遣業界に 関する話題を斬新独特の切り口で取り上げ、多くの派遣会社管理職の皆様に愛読いただいております。そのバックナンバーの一部を御覧下さい。
東田康之
『オー人事』のTVコマーシャルで有名なスタッフサービスは現ホールディングス代表岡野保次郎氏(1951年生まれ)が1981年京都にて創業。マンパワージャパンよりも15年後、テンプスタッフよりも8年後、パソナよりも5年後、キャリアスタッフ(現アデコ)と同年の創業ですが、あれよあれよという間に日本最大の売上高の派遣会社に成長しました。最新グループ売上高は3130億円(▲2.2%)、従業員数5105名、国内拠点数201(唯一の全都道府県出店)、海外拠点数35。現在の体制はスタッフサービスホールディングスを頂点に以下都道府県ごとに別法人化されたスタッフサービス社、請負のテクノサービス、メディカル分野特化のメディカルサービス等で構成されています。
その社風はよくも悪くも「モーレツ」で苛烈な業績追求、トップダウンの軍隊型組織、去るもの追わずの高い離職率、と並べればキリがなく、派遣業界ではその異端の社風は特別視されております(やっかみも多少)。まあよその業界でも高成長会社に上記の社風があることは枚挙にいとまがありませんが、人を扱う人材派遣業界においては異色なやりかたで、このような経営手法をこの業界に導入したワンアンドオンリーの会社なのです(アウトソーシング業界には1社ありますが)。南米インディオの世界に鉄砲を持ったスペイン人が乗り込んだという構図といえば怒られましょうか、、、。
さてそうは言っても、結果的に超高成長を遂げている会社というものは必ずどこか評価すべきところがあるわけで(見習うかどうかは別です)、一般に派遣業界人はスタッフサービス社に対してはこの視点が少ないように思われますので私なりに分析して見ましょう。
人材派遣業界は人に帰する業界で、社員の個人能力の総和が派遣会社の実力であるというのが通常の発想ですが、この発想は結果的に社員個々の能力に負う要素が強く、優秀な職人軍団を揃えることの方向に動きます。古くは旧海軍の戦闘機乗りの養成がそれで、毎年超難関の試験をくぐりぬけた一定数の少年航空兵を莫大な時間と元戦闘機乗りのベテラン教官の教育労力を投入して一人一人手つくりで一人前のパイロットに育てるわけです。当然パイロットはプライド高き職人となり、戦法は1対1の空中戦。
スタッフサービスの経営の根本思想はシステム化、マニュアル化です。特別な能力を持った人でなくともこの体制に入れば短期間で一定の水準の結果を出せるまでに仕上げる体制です。これは離職率が高く、ベテランが育たない状況下で拡大を成し遂げるために必然的に採用せざるをえない方針だったと思いますが、当社はそれを磨きに磨き、一大運営システムを作り上げたのです。これは1対1の空中戦ではなく、集団戦で、最初に後方からの援護砲撃、騎馬隊による前線突破、次に歩兵による突撃、その後掃討チームと、次から次に一つの役割に徹した部隊を繰り出していくシステムです。このやり方では武将の手柄話は存在せず、兵隊の部分的いくさ話があるだけですが、このやり方が「近代戦法」であるとの確信が岡野代表にはあるのでしょう。ロマンではなくリアリズム、、、、。
ではスタッフサービスはどんな職制分担であるか? 社員募集広告にそのエキスが伺えますので御覧いただきましょう。添付資料は6月28日関西版とらばーゆに出稿された社員募集広告の詳細を分類整理したものです。新入社員のバックアップ体制の斬新さを御覧下さい。また業務の切り分けも営業が新規担当とフォロー担当に二分、コーディネーターはマッチングに専念させ、登録面接は契約社員の受付事務職に、また内外問い合わせ連絡担当にテレフォンオペレーターを置いています。まあ「参考までに」じっくり御覧下さい。