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東田康之
今回は「営業コーディネーター」がテーマです。一般に派遣会社の職務分担は以下の通りです。
しかし最近の傾向としてはこれをさらに細分化し、営業を新規開拓担当とフォロー担当に分け(スタッフサービス)、コーディネーター業務を登録面接部隊とマッチング部隊に分割(リクルートスタッフィング他大手多数)するというように、効率を求めた分化体制を採る会社が大手派遣会社では増えており、アデコに至っては新宿に一大集中マッチングセンターを設け、山手線内の営業所には営業マンしかいないという状態にまで「突き詰め」ました。
このような業務分化の流れに抗して、全く逆方向の一元管理体制、即ち営業とコーディネーター業務を一人で行う「営業コーディネーター」体制を維持しているのが記事で取り上げられた旭化成アミダスです。
設立間もない派遣会社や規模のまだ小さい段階の資本系派遣会社ではまだこの体制を採る例はまま見られますが、今期売上140億になろうとする規模の派遣会社でこの体制を採る会社は私の知る限り、東京海上日動キャリアサービスと旭化成アミダスのみで、前者が今期からいよいよ本社に限りではあるが、営業、コーディ分離体制に移行することになったため、今やアミダスのみが孤城を守る存在です。
営業職とコーディネーターの職掌をどう分けるかは派遣会社運営上の非常に大きな問題です。そもそも人材ビジネスにおける究極のマッチング体制は自分で開拓した求人に自分が面接した人材を引き当てる一人体制です。求人求職両者の特徴を掌握しておりますので、マッチング精度は非常に高いものがあり、職業紹介業界ではまだこの「一気通貫」体制を採る会社が中小では大半を占めております。しかし精度の高さを誇るこのやり方にも欠点があり、分化体制を各社が採る理由になっています。ここでそれぞれの長所をあげて見ます。
それぞれの短所は上の長所を否定形にして入れ替えれば出ます。
さてこのどちらの体制がいいかの判断は難しいものがありますが、いくつかの実例をご紹介します。まずマンパワージャパンが日本で最初の派遣会社(設立1966)であったにもかかわらず、なぜ後発のテンプスタッフ(1973)、パソナ(1976)、キャリアスタッフ(1981 現アデコ)、スタッフサービス(1981)、リクルートスタッフィング(1987)の後塵を拝する存在になってしまったのか。複合的な理由があるのでしょうが、その大きな理由の一つに設立当初からオーダーを獲得する新規開拓活動を軽視する気風にあったのではないかと思われます。ブランド力のおかげでオーダーは向こうから降り注いできて、あえてドブ板踏んで新規開拓をするよりも、オーダーにアサインすることに注力していれば売上が増えた時代が長く、その営業軽視時代の長さが後に響いたと思われます。その泥臭さを初代社長のフィナティ氏は嫌ったのではないでしょうか。
一方その時に無名で頼るものの無い後発会社はテンプ篠原社長含め飛び込みセールスをしていたのです。マンパワーの当時の営業職の呼称はサービスレップでした。コーディネーター兼任でした。セールスレップが出たのはもっと後のことです。また一元管理の会社は資本系に多く、独立系では私は存在を知りません。この二つの例から言えることは、新規開拓を重要視する派遣会社は一元管理体制を採らないことです。
しかしそれは一元管理体制でこそ享受できるメリット(上記)を捨てることでもあり、まさに経営の選択の問題であったといえます。
さて視点を変えて、派遣会社内で働く立場から見るとどちらの会社で働きたいか?応募者にとってアミダスの体制は魅力的です。誰も効率追及の分業体制など好みません。やるなら一貫体制というのは人情でしょう。新規開拓のみのスタッフサービスなどまっぴらゴメンですし、面接のみ、マッチングのみの「コーディネーター」なんて狭くて嫌だなあ。そもそもスタンダードなコーディネーターにしてからが、面接したスタッフと顔をあわせるのは生涯に一度だけ。一度の面接が終って登録作業が完了したらそのスタッフは「画面の中と受話器の向こうの存在」です。自分がマッチングしたスタッフが職場でどんな評価か働きぶりかこの目で確かめてみたいと思うコーディネーターは多いのです。また顧客とも接したいといいます。ここまでの範囲なら営業機能もかぶっていいと、、、。(新規開拓は嫌がりますが)
営業とコーディネーターの間に溝があり、その仲の悪さに閉口して悩んでおられる管理職は多いと思います。営業はクライアント寄り、コーディネーターはスタッフ寄りでそれぞれが相手が悪いと言い張ります。どうすればいいか?
みんな営業マンにしてしまうかみんなコーディネーターにしてしまえば不仲問題は一発解決です。営業コーディネーターという存在はこれなのですね。
しかし自分の獲得したオーダーは自分で探すわけですので、昨今のようにスタッフが少ない時にはおそらく大半の営業コーディネーターは日中ずっと社内にいて必死にパソコン検索しているでしょうね。営業責任者としては見たくない光景ではあります。
新規開拓をしなくてよければ一元管理体制は総合的にみていい方法かと思います。その点この体制は外販比重の少ない資本系派遣会社に向くでしょう。内販比重ほとんどにもかかわらず「何となく」分業体制を採っておられる資本系派遣会社は一考の必要ありましょう。しかし外販比重を高める方向に動くときにはこの体制では難しい。内販比重60%のアミダスさんはこの点難しい時期に達していますが、新聞記事によると2006年度の売上高は前年比16%増の140億とのこと。これは立派です。この手法で高成長している例があることは大変心強いことで、業界ウォッチャーの私としては声援を送りたくなります。
旭化成アミダスの社員募集広告も御覧下さい。この特徴を募集にフル活用されておられます。(添付)